浦添市には数多くの沖縄そば屋がありますが、今回ご紹介する「そば専門 てだこ(以下、てだこそば)」は地元でも圧倒的な支持を集める人気店。ごく近いエリアに「高江洲そば」や「宮良そば」といった名立たる名店が揃う激戦区において、ひときわ異彩を放つオンリーワンの沖縄そばに出合えました。▶関連記事・小学生未満ミニ沖縄そば無料!子連れに優しすぎる沖縄「宮良そば」でツルツル丸麺が美味しい八重山そばランチ!駐車場・メニュー掲載あり
週末は混雑必死の人気店
こちらがお目当てのてだこそば。週末になると、リピーターの地元客に加えて観光客も立ち寄るため常に満員御礼状態の人気店です。満員の場合は受付表に名前と人数を記載して店舗前でのんびり待ちましょう。
店内には無数のサインが飾られ、多くの人に愛されていることが伺えます。誰のサインかまでは分からないのですが、ボストンレッドソックスやドラゴンズ、楽天という文字が見えるため、キャンプに訪れたプロ野球選手も来店しているのでしょうね。2月のキャンプシーズンは相当混むのかも…
受付表であらかじめリクエストすればテーブルやカウンター、座敷席のいずれかを希望することも可能です。子ども用の小さな椅子や取り分け用の器も用意されており、家族連れも安心して食事を楽しめます。
どれにしようか迷う独自メニューの数々
てだこそばのメニューは写真の通り、沖縄そば屋さんにしてはかなり豊富なラインナップです。沖縄そばやソーキそばといった定番系はもちろんですが、よく見ると沖縄そば【味噌味】や焼きそば、トーフそば【マーボー風】など、他では見たことがないメニューが並んでいます。
「黒米トロロそば」に至っては、麺に黒米が練り込まれているのか、麺の上に黒米が混ざったトロロが掛けられているのか想像すらできない状態です。しかも沖縄そば屋の鉄板メニューである「じゅーしー」が存在せず、「いなり」や「おにぎり」という本土の蕎麦屋やうどん屋のような内容。極めつけは沖縄そば屋らしからぬ「ギョーザ」でしょうか。こちらはまるでラーメン屋のサイドメニューのようで、カオスな雰囲気を感じるのはわたしだけ!?
まずは定番メニューを選んでみました
気になるメニューが多すぎてかなり迷いましたが、今回は初訪問なのでド定番の沖縄そばとよもぎそばを選んでみました。「大きなリスクを取った者だけが大きなリターンを得る」と人生のパイセンに言われたことがあるけど、こんなチョイスですらもリスクを取れないのが小市民の証だよね…
まずはサイドメニューのいなりですが、色の薄い油揚げに三角形というThe沖縄スタイルをしっかり受け継ぐ正統派。それにも関わらず酢は控えめで油揚げにはほんのり甘味が加えられており、本土式と沖縄式のハイブリッドな味わいでした。主張し過ぎず、かといって控えめ過ぎずで、かなり好きな味わいです。
視覚と味覚が狂い出す沖縄そば
続いてやってきたのは沖縄そば。三枚肉と細切りのかまぼこ、ネギが乗っており、ここまでは一般的な沖縄そばのそれですが、ちょっと変わっているのはもう一つの具材。
そう、こちらのワカメです。ワカメが添えられた時点で一気にラーメン感が醸し出されています。
さらにこの白濁ぎみのスープも良い意味で期待を大きく裏切られます。あっさりと仕上げられているものの豚骨の旨味が前面に出てくるため、まるで豚骨ラーメンの上質な上澄みをいただいているかのよう。豚特有の臭みは全然感じず、豚骨ラーメンは苦手という人にこそぜひ試して欲しいです。
そしてもう一つの驚きが自家製麺。フィットチーネとタリオリーニのほぼ中間ともいうべきパスタ的な見た目。湯がく直前にねじりを加えることで、スープとよく絡む独特のねじれ麺が完成するのだとか。沖縄そばでありながら、やはりラーメンのように心地良いツルツルとしたのど越し、これならワカメのトッピングも納得です。
具材、麺、スープ、すべての情報をざっとまとめますと、沖縄そばのビジュアルなのに麺はパスタのようで、スープは豚骨ラーメンに似ており、ツルツルとした自家製ねじれ麺は中華麺のようなフォーのような…。イイトコドリ過ぎて脳内変換が間に合わない刺激的(味わいは上品ですよ)な一杯でした。
爽やかな香りが楽しめるよもぎそば
沖縄そばのインパクトが強すぎるため若干よもぎそばを忘れていましたが、もちろんこちらも美味しかったです!先ほどの沖縄そばとスープは共通ですが、よもぎを練り込んだ自家製麺と生のよもぎのダブル体制でよもぎ好きにはたまりません。
よもぎ麺でも十分にインパクトがあるのですが、さらに生のよもぎを一緒に食べれば独特の爽やかな香りが倍増。匂いに敏感なため、個人的には生よもぎが得意ではないのですが、スープにしっかり浸していただくと良い感じでまろやかに。慣れれば病みつきになりますよ。
以上、他店にはない斬新さと独自性が満載のてだこそばでした。沖縄そばもよもぎそばも、「あの店の味ってどんなだっけ」とはならない唯一無二の魅力に溢れた味わい。沖縄そばの可能性ってまだまだ広がり続けているんだな~と改めて実感しました。
沖縄・浦添市「そば専門 てだこ(てだこそば)」
〒901-2103 沖縄県浦添市仲間1丁目2−2
TEL 098-875-5952
営業時間/11時~20時(売切れ終了)
定休日/月曜日
駐車しやすさ/★★★(意外と広いものの、混雑時は少々難易度が上がります)
ドライブ魅力度/★★(浦添市立図書館の目の前にあり、近隣には浦添市美術館やスワローズのキャンプで知られる浦添市民球場も。浦添ようどれ、映画「ハクソー・リッジ」の舞台となった前田高地も車で3分ちょっとの距離)
てだこそばまでのドライブルート・駐車場
同じ建物の1階には口笛ソーセージで有名な「プカプカプーカ」、店舗の向かいにはカレーパンやスコーンが人気の「モンプチブーランジュリー」とローカルの人気店が集結。「てだこそば」の隣にも何やら新たな店舗を建築中(2022年4月現在)ですし、このエリアは今後さらに注目される予感しかない!
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投稿:ash
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