その昔、沢木耕太郎の深夜特急や電波少年の猿岩石に憧れて、ボクを含め若者たちはバックパック一つで世界へ旅に出た。人々の心を惹きつけて止まないアジアの活気や魅力溢れるローカルフード。異文化に触れることで新たな知見を獲得し、感動と興奮、驚きや戸惑いが人を一歩も二歩も成長させた。そんな気がした。
でも…
でも………
そんな異文化がめっちゃ近所にありました(*^▽^*)
圧倒的なローカル感
その名は「上間てんぷら弁当店」。異国のような雰囲気の店内と、沖縄のローカル色溢れる揚げ物や弁当類。店舗前の階段に座って買ったばかりのお弁当をうれしそうに頬張る子どもたち。それらはまさに、アジアで体験した空気そのもの!
沖縄らしいコンクリートづくりの建物に、看板ではなく外壁にペンキで直接書かれた店名。何となく人を入りづらくさせる中が全く見えない店舗ですが、惹きつけられるように次々と訪れる車やお客さん。店舗前のテーブルには、お弁当を食べる地元ファミリーの楽しそうな姿が見えます。
あまりにローカルすぎて初めての人にはやや入りづらいかもしれませんが、食事中のお客さんの脇をすり抜けていざ入店。店内は外観を裏切らないシンプルな仕様です。今風にいえばインダストリアルな雰囲気とでもいうのでしょうか。中央のテーブルには揚げ物をメインとしたお弁当が数多く並び、ひっきりなしに売れていくのでまるで品出しとの競争のよう。
お弁当の価格帯は270円(税込)の「アジフライ弁当」や「ポークたまご弁当」とリーズナブルな小ぶりサイズから、500円ほどのフルサイズ弁当まで揃っています。
壁際には琉球菓子?があったり、別のテーブルには沖縄風いなり寿司やポーク卵おにぎり、助六寿司やジューシーおにぎりといったライトミールがあったりと品数豊富。
カウンターには沖縄の弁当屋でマスト的アイテムともいえる100円そば(税込110円)がスタンバイ。レジで支払いの際にスープが注がれ、ラップと上蓋がかけられます。ここの沖縄そばは100円とはいえ、かなりのクオリティとボリューム感。周辺は弁当屋激戦区なのでレベルが高いです。
揚げ物パラダイス!
そして、弁当と合わせて忘れてはいけないのが、店名にもなっている「沖縄てんぷら」。カリっとした衣を纏ったその姿は「天ぷら」というより「フライ」に近いのでは…?と個人的には思いますが、争いからは何も生まれないためスルー。ここの天ぷらの最大の魅力は、目の前で揚げたてが提供されること。目の前のフライヤーで次々と揚がっていくので、どれもこれも美味しそう!
内地出身者としては10年以上住んでいても「魚の種類は?」「何の豆?」と未だに思ってしまいますが、その時々で素材が違うところも沖縄流の面白さ。1つ50円や60円で販売しているお店も多い中、ここのは各86円(税込)と少しお高めですが、サイズ感と揚げたての美味しさにはかないません!
揚げ物はほかにも同じ86円として、「トウフ」や「ササミチーズ」、「ポークカツ」や「メンチカツ」などがありました。一部「モズク」や「ヤサイ」が75円、「ハムチーズ」が108円など異なる金額のものも。
沖縄のスーパーなどでもよく見かける「ドラム」は172円(税込)。いわゆる鶏肉の脚部分で、食べごたえがありそうです。部活帰りの学生さんには神メニューでしょうね~。
ボリューム満点のトンカツ弁当
今回は天ぷらと「トンカツ弁当」(税込486円)と「ポークたまご弁当」(税込270円)を買ってみました。2021年現在では消費税総額表示となっていますが、以前は450円弁当、350円弁当、250円弁当など、キリの良い金額で親しまれていたようです。
揚げ物は「マメ」と「サカナ」と「チキン」をチョイス。いずれも86円(税込)。推測ですが、「マメ」は「ジャンボインゲン」、「サカナ」は「マグロ」だと思われます。
どれもカリカリのサクサク、なおかつボリューミー。衣がかなり特徴的で一度食べるとヤミツキになりそう。
「トンカツ弁当」はご飯の上にダイナミックにカツが鎮座しています。ご飯が見えなくなるように色々な具材を乗せているのも、いわゆる沖縄弁当の流儀。一般的には白ご飯の上に梅干しとごま塩が乗っている位なのに、この大盤振る舞いレベルは半端ない。
副菜もうれしいことに沖縄おかずが充実。「フーチャンプルー」や「人参シリシリ」、そして色々なお店のお弁当に入っている白っぽい謎のウインナーも健在です。卵焼きにはカニカマが入っており、ちょっとトクした気分。
iPhoneを横に置くと分かるように、トンカツのサイズ感がハンパないですね。がっしりとしたお弁当のカツらしい噛み応えがありますが、486円という金額を考えると非常にお得だと思います。
一方、「ポークたまご弁当」はその名の通りポークランチョンミートと薄焼き卵がオンザライス。そのお隣には赤ピーマンがたっぷり使用された焼きそばが添えられています。この麺は中華そばではなく、沖縄そばを使うあたりもイイ。
以上、沖縄にいながらにしてどことなくアジアンな雰囲気を楽しめる「上間てんぷら弁当店」でした。キレイなお店やコンビニが増える中、こういう昔ながらのお店が多くの県民に愛されているのは素敵なことですよね。満腹になりながら感慨に浸るとともに、久しぶりに沢木耕太郎を読み返したくなりました(読んだことないヤングたち、意外と面白いよ!)。
沖縄・宜野湾市「上間てんぷら弁当店」
〒901-2214 沖縄県宜野湾市我如古2丁目27−2
TEL 098-890-1883
営業時間:5時~19時(※その日の状況で終了時間が前後する場合あり)
定休:年中無休
駐車しやすさ:★(お昼前後は激混み。店舗前の駐車は上級者向けなので路駐がベターかも。前面道路の交通量も多いので要注意)
ドライブ魅力度:★(住宅街のど真ん中にあるため、ドライブ魅力度は★。ここでお弁当を買ってお気に入りの場所を目指すべき)
「上間弁当天ぷら店」までのドライブルート&駐車場情報
国道58号線「大謝名(おおじゃな)交差点」を西原方面へ。
大謝名から県道34号線を10分弱のドライブ。
休日やシーミー前などは店舗前がカオスな状態に。店舗前駐車よりも、正面を少し超えたあたりの路上駐車が比較的停めやすいと思います。
こちらのお弁当は昔ながらの手作りスタイルを採用し、防腐剤も一切使用していない点もポイント。その美味しさにハマるファンが多く、我々が行った時もひっきりなしにお客さんが訪れていました。タクシーの運転手さんの利用も多く「タクシー運転手に愛される店は安くて旨い説」が確かに立証されました★
投稿:ash